顧客要求、事業手法多様化し、訪れた資格戦略の転換期

2011.11.11

施工プロセスも一般の建築とは大きく界なり、動きながら対応する合理的な手法に切り替える必要性が出てくる。企画段階で工事費、施設動線、将来計画を含めたおおまかな事業方針を決め、設計に着手すると同時に、資機材調達を開始して、短工期を実現している。生産系だけでなく、マンションやオフィスでも一括発注の傾向が現れ始めている。土地情報の提供を足がかりにして工事受注を優位に進める川上営業の拡大とともに、工期短縮を求める建築主が増えていることが背景にある。

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また、エンジニアリング分野の機能拡充が顕軒になる中、大手各社の組織形態に変化の兆しも出ている。あえて全社的な受注支援の枠組みにこだわる企業もある一方で、受注支援の役割を見直し、自立運営を基本とした「プロフィットセンター」に切り替える動きも目立ち始めた。顧客要求、事業手法多様化で資格を受注の糸口に団体が自主認定する専門資格が、公共工事の発注用件で採用される事例が増え、建設業界での資格戦略が転換期を迎えている。CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)評価員やAPEC(アジア太平洋協力会議)アーキテクト、RCCM(シビルコンサルティングマネージヤ)など広がりを見せ始めている資格のほかにも、コンクリート診断士やダムエ事総括管理技術者、土木学会認定技術者、BELCA(建築・設備維持保全推進協会)認定資格、VEリーダーなどといった民間資格の重要性を再認識する建設会社が、社員の戦略的な資格取得を進めている。例えば、ある大手ゼネコンでは「阪神・淡路大震災の当時、国からの応援要請で社内の技術者が災害支援に走り回った。仮に、応急危険度判定士とコンクリート診断士が連携して活動すれば、その場で総合的な対応が図れる。企業としての社会貢献の側面からも、診断士の重要性は高い」と診断士の活用を模索する。技術競争が広がる中で、ゼネコンは技術提案力向上の手段としてVE手法を社内で拡大しており、VEリーダーの資格活用も広がっている。「資格は事業活動に欠かせない。公的資格でなくても、重要度合いの高い民間団体の認定資格は数多くある。資格は企業にとって事業の確かさにもつながる」と考える企業も出るなど、顧客要求や事業手法の多様化で民間資格を受注活動の糸口とする企業が増えてきた。公共工事に限らず、資格は民間発注者にとっても施工会社の能力を測る指標の1つだ。事業と資格との関係性を導き出し、取得促進に向けた戦略的な取り組みが重要になっている。




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