原因の第一は、建設需要が停滞しているのに、業者数、従業者数が増えたことにある。七三〜八三年度の一〇年間に、建設投資(実質)は〇・九六倍にしかならなかったのに、業者数は1・七倍、従業者数は1・一五倍になった。第二に労働生産性の低い小規模業者が著しく増加、建設生産に占めるシェアを拡大したこと。さらに技術開発の停滞、従業者の高齢化に伴う作業能率の低下、公共事業の小規模化などが複雑にからんでいる。背景には、第一次、第二次石油ショックを契機とした長期不況にもかかわらず、建設業者の許可が相当安易に、しかも非経済的理由(政治的思惑や情実的運用を含む)で、知事段階で行われた、との指摘がある。
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もちろん、不況期にこうした許可や従業者採用が、雇用を確保し、不況のスパイラル的悪化を防いだ効果はあったかもしれない。しかし、現建設業法に基づく許可基準はきわめて形式的、かつ容易な参入要件しか定めておらず、いったん許可してしまえば、こうした業者の声が、中央、地方を通じて公共事業の拡大を求める声に結びつき、しかもそれが実現しやすい政治的風上にある。いわば、”護送船団”的建設業行政であった、といえるだろう。